お問合せ

白山手取川ジオパーク推進協議会  TEL 076-274-9564  FAX 076-274-9546  E-mail geopark@city.hakusan.lg.jp

フジ(藤)の花とキリ(桐)の花(2)

 フジもキリも家紋にも使われて皆から親しまれています。

 特にキリは、木材の中では最も軽く、湿気を通さず加工しても割れや狂いが少ないことから、

高級木材として使われています。

 また、成長が早いことから、かつて日本では女の子が生まれるとキリを植え、結婚する際には

そのキリで箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もありました。このため、集落の周辺にキリを

よく見かけることができます。

 一方、フジは、かつては山麓ではあまり見かけることができない花でした。

 フジはツル性であることから、植林したスギに絡みついて光合成を妨げるほか、幹を変形させ商

品価値を下げるため、林業を営む者にとっては天敵です。 

 このため、山に住む人々は、フジのツルを見ると自分の持ち山だけでなく、他人の山に生えている

フジも見つけると刈り取りました。

 白峰地域には「報恩講さまにもナタ(鉈)」という諺(ことわざ)があります。

 報恩講は、大事な仏事で正装して出かけるのですが、その際にも、ナタ(鉈)をもって出かけ、フジ

を見たら刈り取りなさいという意味です。

 こうしたことから、以前はフジの花を見ることが少なかったのですが、最近では、日本各地の人工

林でフジの花が咲いている風景が増えてきました。

 原因の一つとして、木材価格が長期間にわたって低迷していることから、山林の管理が行き届い

ていないことが挙げられます。

 フジの花は、春の白山麓地域の美しい景観として親しまれるようになりましたが、その裏には、林

業経営者の嘆きの声があることを忘れてはならないと思います。

CIMG8037 (320x212).jpg

スギの木に巻き付いたフジ